ごろんた
やっぱりごろんたはあまのじゃくじゃ。へいさくがせっかくあそぼうとさそうてやっても、
「やなこった、やなこった。おまえたちといっしょにおったら、わしのレベルまでおちてまう」
そういうて、はしっていってしもた。ごへいは、
「むだじゃ、むだじゃ。あんなんほっとけ。うちの中でゲームでもせんか」
という。
へいさくはかんがえとった。なんでごろんたはあまのじゃくなんじゃろう。ずっとそうおもうとったら、それがしりとうてこらえられんようになった。
「わし、べんきょうがあるけん」
ごへいにそういうて、へいさくはごろんたをさがしはじめた。
あのあまのじゃくのごろんたのことじゃ、かんたんにさがせるわけはない。そうおもいながらあるいとったら、
「ばーか」
と、うしろからこえがした。へいさくはやったとおもうた。それはごろんたのあいさつのようなことばじゃ。おもいもよらずに、はようみつけることができたもんじゃ。
「おいごろんた、ききたいことがある」
へいさくはいきなりそういうた。ごろんたはそれにはこたえず、さかだちをした。
「へへん、へいさくがさかさまじゃ。へいさくがさかさまで、くさいへじゃあ」
へいさくは、
「こら、なんちゅうことをいう」
というが、ごろんたは、
「くさいへ、くさいへ、くさいへじゃあ」
と、そればっかりいうとる。へいさくは、じぶんもさかだちしていうた。
「これでおまえからみたら、へいさくじゃろう」
するとごろんたは、すぐにさかだちからふつうのかっこうにもどり、さかだちをしているへいさくをゆびさした。、
「わいわい、またおまえはくさいへじゃ。だれからみたってくさいへじゃあ」
くさいへは、どてんとたおれてへいさくにもどった。そしていうた。
「のう、おしえてくれ。なんでおまえはあまのじゃくなんじゃ」
ごろんたはむこうをむいて口ぶえをふいとる。へいさくはちょっとひらめいた。
「わしゃあしりとうないぞ。おまえがなんであまのじゃくなのか、たのむけんおしえるな」
すると、ごろんたはいきおいようしゃべりはじめた。
「わしゃあのう、めだちたがりなんじゃ。人とちがうことをしとったらめだつじゃろう」
そこでへいさくが、
「きくなよ」
と、まずいうてから、
「人とちがうことばっかりして、相手にされんようになってたのしいか。たのむけんこたえんでくれ」
というた。ごろんたはちいさく、
「さみしい」
と、こたえた。
「でも、いまさらふつうにするのは、なんかはずかしい」
それでへいさくはおもうた。心のそこではごろんたはみんなといっしょにあそびたいじゃ。はずかしゅうてそれがいえんようになってしもうとるんじゃ。
「ごろんたよ、おまえはあまのじゃくじゃないぞ」
へいさくはそういうた。ごろんたは、
「わしゃあ、あまのじゃくじゃ・・・」
というた。へいさくは、
「おまえがほんにあまのじゃくなら、わざとあまのじゃくやないようにふるまうはずじゃろうが」
というた。ごろんたはしばらくかんがえたあと、すまして、
「へいさくくん、ぼくとなかよくあそぼう」
という。へいさくは、さっそくきたな、とおもうた。
「そうじゃな。なんかしてあそぼう。けどごろんた、おまえふつうにあそべるか」
するとごろんたは、またすましたいいかたで、
「いやだなあ、あそべるにきまっているじゃあないか、まいったなあ、はは」
なんちゅうとる。
そしてそれから、ぎこちのうはあったが、ごろんたはあまのじゃくやのうなった。そしていいんかわるいんかわからんが、だんだんふつうになっていったんじゃな。おしまいじゃ。
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