森でいちばんの年よりのきつねがあいさつをすると、みんな大きなはく手をしました。さあいよいよまつりがはじまりました。色とりどりの鳥たちのうた声にあわせて、たぬきがおどりだしました。

 

ぽんぽこぽん

ぽこぺんぽん

ぺこぽこぺんぽこぽん

 

やがて、みんながわになっておどりはじめました。そしてそのわは、次第に大きくなっていきました。

そのうち、かってにうたいだしたり、話しこんだり、お酒をのんでまっかになったりして、みんなそれぞれに、このまつりにすっかりよいしれていました。

空の上からずっとそんなようすを見ていた星の子は、とうとうがまんができなくなってしまいました。

「あっ、これこれ、ぼうや、だめよ」

おかあさん星があわてて止めようとしましたが、星の子は、とうとう森におりてしまいました。

「これはこれは、おぼっちゃん、いらっしゃい」

案内役のりすがそういいました。星の子はまずいちばんにぎやかな、おどりのわの中にはいり、まわりを見ていっしょうけんめいにおどりはじめました。

「おお、うまいうまい。おぼっちゃん、じょうずだよ」

おどりなんてはじめてですが、みんなすごくほめてくれました。星の子はますますちょうしにのっておどりつづけました。

ずっとずっとおどっていましたが、少しつかれてきました。木の下のいすにこしかけていると、森のみんながとぎれるまもなく話しかけてきます。星の子はみんなとすっかりなかよしになりました。今まで味わったことのないゆかいなひとときを森のみんなとすごしました。

夜の時間ものこり少なくなりました。にぎやかなまつりも、そろそろ終わろうとしています。星の子は大まんぞくでした。おどりはほめられるし、たくさんの友だちもできました。そろそろ空に帰ろうとしました。 ところが、たいへんなことになりました。なんどもなんども空に飛び上がろうとしますが、空までとどかないのです。 見上げるとおかあさん星がないています。それも今なきだしたのではなく、さっきからずっとないているようすです。

「おかあさあん」

星の子も大声でなきだしました。なきながらなんども飛び上がろうとしますが、空にはとどきません。かわいそうな星の子は、それでもくりかえし、おかあさん星のそばまでもどるようこころみました。

森のみんなは話しあいをはじめました。しばらくして話がまとまると、みんないっせいに、まつりに使ったものを取りこわしてしまいました。そしてこんどは何か別のものを作りはじめています。それはおどろくようなはやさでした。

やがて、へんなきかいができあがりました。それはシーソーのようなものですが、もっと大きくてふくざつなかたちをしています。ふくろうがいいました。

「おぼっちゃん、うまくいくかどうかわかりませんけど、このきかいで空までもどしてさしあげたいんですが、いいですか」

星の子はなみだをふきながらいいました。

「空までとばしてくれるの・・・」

「うまくいけばいいんですがね」

さっそく星の子を発射台にのせました。

「ちょっぴいたいですけど、がまんしてくださいよ」

「うん」

「ご−う、よーん、さーん、にーい、いーち・・・」

だれもが心配そうに発射台を見ています。

「はっしゃあ」

どどんという音とともに、星の子はいきおいよく空に上がっていきました。

「うまくいった」

星の子はみごとにおかあさん星のとなりに帰ることができました。おかあさん星のなみだは安心とよろこびのなみだにかわりました。

「おかあさん、ごめんなさい」

そして星の子は下をむいて、

「森のみなさん、ほんとうに、ほんとうにありがとうございました」

といいました。

「よかったですね」

「ほんとうに、よかったよかった」

森のみんなは手をたたいてよろこんでいました。星の子のなみだが雨になってみんなをぬらしました。それはたちまち黄金色にかわっていきました。

「すてきなまつり、どうもありがとう」

「いいえ、こちらこそ。思い出深いまつりの日になりました。おぼっちゃん、ありがとう」

長い一夜のおわりをつげるように、お日さまが東のほうから顔をのぞかせはじめました。

 

森のまつり おわり

 

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